沿革

 沖縄県小児保健協会は、昭和48年7月28日に任意団体として発足し、昭和56年3月に法人格を取得した。 協会の活動は、子どもたちの健康の保持増進を目的に、学術集会や講演会、フォーラム等の開催、機関誌の発行等、 会員及び小児保健医療関係者の資質向上と地域住民の小児保健に関する啓発普及活動に努めている。

 特に大きな事業として、設立当初より、沖縄県から乳児一般健康診査の委託を受け、離島含む53市町村 (現在統合され49市町村)の子どもたちの健康診査を実施してきた。同業務は小児科医の少ない沖縄県において、 土日の休日を利用して、小児科医(開業医、勤務医、研修医、のほとんどが参加)、臨床検査技師、保健師、看護師、 栄養士、母子保健推進員、市町村母子保健担当職員等のチームで実施してきた。離島へき地が多い本県の行政課題でもある 保健医療の地域格差是正への取り組み、専門家チ−ムによる乳幼児集団健診システムは、全国でもユニ−クな沖縄方式と称されている。 これまでの離島を含めた健康診査事業の業績が評価され、平成2年にエリエ−ル奨励賞、平成4年には保健文化賞を受賞した。 その受賞記念に平成5年沖縄小児保健賞(基金)を設置し、県内の小児保健活動において著しい功績を残し、 今後も引き続き活躍が期待される個人・団体を顕彰(沖縄小児保健賞)することによる人材育成も行っている。

 平成9年以降は、地域保健法改正に伴い乳児健康診査、3歳児健康診査等が市町村事業に委譲され、これまでの乳児一般健康診査に加え、 3歳児健康診査も県内すべての市町村から、1歳6か月児健康診査は離島含む29市町村からの委託を受け実施している (平成17年は、乳児と3歳児は49市町村からの受託、1歳6か月児健康診査は29市町村からの受託と15市町村の情報処理業務受託)。 これらの健康診査から得られた沖縄の子どもたちの健康状態に関する情報を統計資料(乳幼児健康診査実績報告書)にまとめ、 市町村はじめ関係機関や関係者に提供している。

 また、小児保健関係者の資質向上を図る手段として毎年小児保健学会を開催し、研究発表の場を提供すると共に、 その記録を会誌「沖縄の小児保健」として発刊する他、県外からの専門講師を招聘しての講演会の開催、医師・保健師等の小児保健専門職種に 対する研修会、県、市町村等の職員を対象とした保健セミナーを実施している。一方、県外で開催される日本小児保健学会や保健セミナ−へ、 小児保健関係者や市町村職員を毎年派遣し、県内の保健従事者の資質向上にも寄与している。

 そのほかに、平成13年から県の行政課題でもある麻疹対策への取り組みとして「はしか"O"プロジェクト委員会」の事務局を担い、 プロジェクトに必要な資金の提供を行っている。また、沖縄県小児科医会、小児科学会沖縄地方会、看護協会へ、 小児保健医療に関する講演会資金の補助も行い、小児保健に関する学術的情報提供にも努めている。

 県との共催事業として毎年母子保健大会を開催するほか、県の健康増進課が設立準備を進めてきた沖縄県母子保健推進員連絡協議会の 事務局を担う等、市町村母子保健事業への支援機能も果たしている。

概要
所在地
役員名簿
定款
協会の歩み
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