昭和48年(1973年)に沖縄県小児保健協会は設立され、約半世紀近く沖縄の子ども達の未来を拓くために、多くの職種(医師、歯科医師、保健師、看護師、助産師、栄養士、保育士、歯科衛生士、心理士、母子保健推進員、検査技師、相談支援員、弁護士、薬剤師、教職員、事務員など)の方が協力して沖縄の子どもたちの健康を守ってきました。この半世紀の間に育児環境も著しく変化し、今の子ども達の平均余命は100歳ともいわれ、生まれた時から生きて活きる(生活の)質が求められるようになりました。「全ての子ども達に活きる力と夢見る心」を当協会の基本理念として、多職種の人が大きな和となって子どもたちの未来を育んでいきたいと思います。当協会の主な事業は、沖縄県40市町村の乳幼児健診の部分委託を受けております。そして乳幼児健診のスタッフ研修・健診の精度管理を行いながら健診の質の向上をはかり、全国規模の学術集会等を開催し沖縄県の小児保健研究を推進し、こどもの健康の基礎となる生活習慣(生れ育ち、食べ育ち、噛み育ち、睡て育ち、遊び育ち)の在り方を県民に広報し、PHR(パーソナルヘルスレコード)に向けた健診データと母子健康手帳のICT化の検討、麻疹等の予防接種率向上の中心となった沖縄県麻疹0プロジェクトの運営支援などを行っております。成育基本法も平成30年に施行されました。また妊娠期からつながるしくみづくりである「子育て支援包括センター」が各市町村で開設されつつあります。2つの本質を理解し実現することが、全ての子ども達の育児支援につながり、虐待を減らし、貧困を減らし、健やかな家庭づくりを推進していくと思います。そこで沖縄小児保健センターが沖縄県の小児保健の中心となる健や家(すこやか)になるよう努力してまいります。
宮城 雅也(20210215)